FAQ/ 空隙率・透過率のデータソース¶
DioVISTAが既定で用意する空隙率・透過率のデータソースは何ですか。
DMデータから家屋・建物ポリゴンを作成し、格子ポリゴンに対し家屋・建物ポリゴンの占有率を求めているのでしょうか。
回答¶
土地利用区分ごとに空隙率・透過率を設定します。
DioVISTA メニュー [ツール] > [環境設定] で出現するダイアログで、[洪水シミュレーション] > [土地利用] を選択すると、次の画面が出てきます。
図: 土地利用・粗度変換表
土地利用ごとに、建物占有率を設定できます。空隙率・透過率は、1から建物占有率を引いた値です。すなわち、次の式で求めます。
空隙率 = 1 - 建物占有率
等価率 = 1 - 建物占有率
なお、空隙率の値が下限値0.1より小さい場合、そのセルはすべて建物に占有されている無効なセルとみなします。詳細は テクニカルリファレンス/ 氾濫モデル/ 空隙率 をご参照ください。
空隙率・透過率は、氾濫モデルの基礎式として [マニュアル第4版準拠] を選択した場合にのみ有効です。その他の基礎式(たとえば [線形式] )を選んだ場合は無効です(空隙率・透過率は使われません)。基礎式の詳細は テクニカルリファレンス/ 氾濫モデル/ 基礎式 をご参照ください。
DioVISTAが既定で用意する空隙率・透過率は、建物ごとの外枠を自動的に判読して設定した値ではありません。たとえば格子ポリゴンに対し家屋・建物ポリゴンの占有率を求めたい場合、別のGISで作成後、DioVISTAにインポートする方法が、現状、現状、最も簡単な方法だと思われます。 参考: QGISを使った建物占有率メッシュデータの作り方 - Qiita
建物占有率の既定値の根拠¶
建物占有率の既定値は、氾濫シミュレーション・マニュアル(案)(平成8年2月) p. 70, 図-30 「用途別に見た土地利用別建物占有率の分布」を参考にして決めました。 この文献の値は、全国29都市160箇所における調査に基づく値です。 1:2,500の縮尺の都市計画図を利用し、一箇所あたり一辺500mの正方形に対して建物の面積を求め、全体の面積で除しました。 29都市の内訳は次の通りです。
- ~ 50万人: 11都市
- ~100万人: 11都市
- 100万人~: 7都市
結果、建物占有率thetaの値は、下記の通りと書かれています。
土地利用 | 建物占有率 |
---|---|
業務中心地区 (35箇所) | 0.3~0.4 |
工業地区 (34箇所) | 0.2~0.3 |
住宅地区 (45箇所) | 0.1~0.2 |
その他の市街地(46箇所) | 0.3~0.4 |
この値を参考に、当社にて下記のように割り当てました。
土地利用 | 建物占有率 |
---|---|
山林・荒地等 | 0 |
田 | 0 |
畑・その他の農地 | 0 |
造成中地 | 0 |
空地 | 0 |
工業用地 | 0.25 |
一般低層住宅地 | 0.15 |
密集低層住宅地 | 0.25 |
中高層住宅地 | 0.15 |
商業・業務用地 | 0.35 |
道路用地 | 0 |
公園・緑地等 | 0 |
その他の公共公益施設用地 | 0.35 |
河川・湖沼等 | 0 |
その他 | 0 |
海 | 0 |
対象地域外 | 0 |