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FAQ/ HQ式を与えた河川で越流すると発散する

本川と支川との合流部近くで、支川から越流すると計算が発散します(浸水深が異常なほど深くなります)。

回答

原因

背水(バックウォーター)区間にHQ式を与え、その区間から越流すると計算が発散することがあります。これは、HQ式の前提である、ある流量に対し水位が一意に決まるという仮定が、背水区間で成立しにくいためと考えられます。背水区間ではHQ式を使用しないことが望ましいです。

河川砂防技術基準 調査編(平成24年6月)では、下記要請がなされています。

河川砂防技術基準 調査編(平成24年6月)第2章第4節 p. 29

緩流河川においては、下流側における潮汐や合流、堰操作等による背水の影響による水面勾配の変化の影響が無視できないため、水位流量曲線を水位のみの一価関数として表現することはできない。したがって、このような地点においては水位流量曲線法を用いないことが望ましい。緩流河川でなくとも、上述のように、河積や粗度(特に樹木群の繁茂状況)の縦断方向の急変が見られる場合も、水位流量曲線法の採用を再検討することが望ましい。

河床勾配が緩い感潮区間や背水区間においては、逆流が発生することがあります。一方、HQ式により水位を求める際には、以下の式の通り流量の平方根を求めます。

\[ H = \sqrt{Q / a} - b \]

負の値の平方根には実数解がありませんので、HQ式は流量\(Q\)が負の値になる場合(逆流が発生する場合)には適用できません。数値計算上の扱いとして、HQ式を正の流量のみに適用し、負の流量の場合には適用しないことになります。

狭窄部付近にHQ式を与えた場合、不合理な結果になることがあります。 狭窄部上流では水が貯まり、水位が上昇するとともに水面勾配が緩くなり、流速が小さくなります。 また狭窄部の直下では水位が低く、水面勾配がきつくなり、速い流れが発生します。 このような場合にHQ式を適用すると、次のような不合理な結果になります。

  • 河川の狭窄部の上流では、不定流で求めた 水位が高い ほど流量が小さくなり、HQ式で求めた 水位が低く なります。
  • 河川の狭窄部の直下では、不定流で求めた 水位が低い ほど流量が大きくなり、HQ式で求めた 水位が高く なります。

対策

どうしてもHQ式を使用しなければならない場合、以下の3つのプロパティの設定を変えることにより、状況が改善することがあります。

  • プロジェクトのプロパティ [HQ式を正の流量のみに適用] を [False] にする。
  • プロジェクトのプロパティ [合流点へのHQ式の適用] を [False] にする。
  • プロジェクトのプロパティ [排水先河川へのHQ式の適用] を [False] にする。

また、次の対策が有効な場合があります。

  • [HQ式適用上限流量] を 河道満杯流量にする(越流時はHQを適用しない)
  • 河道断面の間隔を小さくする(1断面あたりの越流量を減らす)
  • [越流係数 alpha] を小さくする(1断面あたりの越流量を減らす)
  • 落差工など、河道断面が大きく変わる箇所の前後の断面を追加または削除する(1断面あたりの越流量を減らす)

関連項目


最終更新日: 2023-12-15